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再開

作りかけては消し、作りかけては消し、とまるで賽の河原のように逡巡と悔恨を繰り返していたためらい傷だらけのブログをようやく公開する決心が付く。
まぁ決心なんていうと大袈裟なんだけど。ただ、自分の中で踏ん切りが付かない何かがあり、それが猫も杓子もひなげしも、とにかく何でも一億総ブログ化という流れにすら乗っかるのを留めていた気がする。

公開に対する不安があったワケではない、と思う。
こちとら悪いけど、十数年前にイチヨンヨンとかニッパッパのモデムがノイズを撒き散らしながら電話線の彼方で掻き集めた情報と意志と妄想を、ログカッターでどうにかこうにか整形し、おずおずと異世界・異世代交流を始めた頃から既にネットに慣れ親しんでいたのだから。
熱しやすく暴発しやすいネットでの対人関係・距離感とか、馴れ合いとパブリシティの狭間の苦悩とか、クローズドなコミュニティで起きやすい義務化された関係性での避けようもない陳腐化とか、そんな今もリアルでmixiでドンパチ・ワショーイやってそうな議題も、こっちは十数年前にとっくに通り過ぎてきたつもり・・である。

「じゃあ一体何が?」と考えてみると、やっぱり一番大きいのは自分のリアル(梅田センセイ曰く「こちら側」の自分)と、ココで管を巻いているオンラインの何か(「あちら側」。ネットで語ると、逆になるけど。あれ、本でも逆だっけか?)との関係性を消化しきれないからなのかなと。
十数年前に従量課金制のパソコン通信の世界に生み出されたあのパーソナリティは、リアルなワタシとの関係性なんか一ミリも考えちゃいなかった。
閉塞した(と思い込んでいた)世界に蜘蛛の糸の如く垂らされた一本の電話線の向こうには、拙く方向性も定まらないままリビドーのままに放たれたメッセージを、確かに受け取り(時には書いた当人以上に)理解し、投げ返してくれる存在があった。
キャッチボールを覚え立ての子供のように、自分が投げた球が相手のグローブに吸い込まれた瞬間の小気味よい乾いた音に驚愕し、投げ返される球の掌に伝わる衝撃に戦慄した。
そこにリアルなワタシという全うな疑念が挟まる余地はなかった。ハンドルネームという情報量の少ない識別子に、回線に載りきらないほど想いのたけをぶつけた結果、ドット絵のような抽象化されたキャラクターが幾つも作り出された。彼らの織りなすストーリーとアドリブに日夜狂喜し、ときには自らも参戦した。
しかし、時代は巡り、2Dドット絵師たちは職を追われ、3Dポリゴンによる物理演算と美麗テクスチャが大きな価値化のひとつとなった。
・・もとい。オンラインにおける抽象化・キャラ化という指向性は今も昔も変わらないのだけれど、その背後にある「リアルなワタシ」と結び付く可能性が飛躍的に高まったんじゃないかと思うのだ。
ネットで「オイタ」をした輩がヲチされ、祭られ、晒され、暴かれ、最後はぺんぺん草も生えないなんてのは極端な例だけど、昼間仕事で知り合って名刺交換したばかりのnさんの名前を、ググッたりmixiで検索したりしたら、違う何かと邂逅してしまう可能性もあるということだ。
それが幸せなコトなのか不幸なコトなのかはよくわからない。ただ、「リアルなワタシ」がネットのこちら側に意図せず「引っ張り出されてしまう」というのはかつてはなかった構図だと思う。

自分の場合、十数年前に「ネットの方」をガーッとやって、それでピークまで行ってしばらく断絶し、今度は「リアルなワタシの方」をワーッとやっているウチに、ふと気が付いたらいつの間にかネットワークの方が「ソーシャルでござるよ」とか言い出して、その整合性を埋めなきゃ真に楽しめるようには出来なくなっちゃったんじゃないかなと。
それはまあそういうモノだと頭で理解しても、なかなかそうなれるハズもなく、気が付けばこんなに時間が経ってしまっていたんだけど。
それでも語りたい何かがあり、いや、あるような気がし、その何かを引きずり出そうとこんなワケのわからん時間まで悪戦苦闘し、結果、当初書こうとしたことは三割でストップし、横道に逸れたまま戻って来れずタイムリミットで収束させようとしているという顛末だったりする。

でも、やっぱり書くのは楽しい。
ケツイとかカクゴとかシシンヒョウメイとか、ここにいたるイキサツとか、まあ別に無理に書く必要はないか。
また、ここに戻ってきた。
そして、ちょっくらまた始めてみようかなと思ってみたり。

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